1988年 ナイアガラ

第1回 1988年6月16日 滞在3日目

滞在3日目ワシントンから空路ニューヨークへ到着。そのままカナダへ入国する。

6月16日

ナイアガラの滝
朝、ワシントンを発ってニューヨークの空港に着いた。
空港からバスに乗り込みそのままカナダへ向かう。ナイアガラの滝を見に行くのだ。
カナダ入国の前に、アメリカ側からクルーズ船に乗り込んだ。
ナイアガラの滝ってカナダにあるんじゃないの?


青合羽
私たちは2階建ての船(霧の乙女号)に乗り込み滝のクルーズに出発した。
船に乗る前に全員‘青色のレインコート(フード付き)’を着せられる。
滝のすぐ側まで行くので、水しぶきがすごいのだ。(と思い込んでいた)船にいち早く乗り込んで、
誰もが2階へ駆け上がっていく。
2階からのほうが滝の迫力だって真近に見れるだろうし、なんてったって水しぶきの量だって断然多いに違いない。
私も、水しぶきがたくさんかかるように2階へ駆け上がった。

 アメリカ滝と青合羽(霧の乙女号)


はじめに見えてきた滝が‘アメリカ滝’である。この滝はアメリカ側にあるのだ。
そうなんです!私は行ってみるまで知らなかったのですが、ここには滝がふたつあったのです。
ナイアガラ川はオンタリオ湖から流れてきます。
滝となって落ちる上部に’ゴート島’という島があるため、この島によって落ちる直前に流れがふたつに分断されるのです。
川上から見て島の右側を落ちているのが‘アメリカ滝’(アメリカ領)島の左側に落ちているのが
カナダ滝’(アメリカ・カナダ領)ふたつ合わせて‘ナイアガラの滝’というわけです。ちなみにゴート島は全部アメリカ領です。

アメリカ滝は落差56m、幅320m、毎分の水量およそ1400万リットル。
はっきり言って、ひと目で「たいしたことない」「な〜んだ、ちっちゃいじゃん」
「早くナイアガラが見たーい」と、まるでアメリカ滝を前座扱いする私。
高さもないし、視界にすっぽり納まってしまうので、雄大にはほぼ遠い。
期待していた水しぶきもかかりません。

 アメリカ滝


お次が真打、カナダ滝の登場。
ところが、「な〜んだ、たいしたことないじゃん・・・ちょっと幅が広くなったかな?」
思いのほか迫力に欠けていたので、がっかり・・・。
高さ54m、幅675m、毎分の水量およそ1億5500万リットル。
水量が多いので、中央部が侵食によって半月形をしている。
別名‘馬蹄滝’Horseshoe Falls とも呼ばれている。

船は、この半月状の中央部くぼみに向かって進んでいきます。
水しぶきもちょぼちょぼかかってくるようになり、周囲では「ワー、キャー」言いだしました。
「なんだよ、もっと雨のようにかかってくるのかと思ったよ」とまだ満足できない私。
期待が大きすぎたのかもしれません。

 カナダ滝。水しぶきで向こうが見えない


黄合羽
青合羽を脱いで、ゴート島にある‘風の洞穴’に向かった。
ゴート島に行くには橋を渡っていかねばなりません。
アメリカ滝の絶壁にある高さ45m、深さ30mの‘風の洞穴’へは、エレベーターで降ります。
鉱山の作業員になった感じで、降りてすぐ今度は全員、黄色合羽(もちろんフード付)を着せられた。
小さい私は、大人用では裾を引きずりそうなので、子供用に替えられてしまった。
いったい何があるというのか、わからないまま鉱山の作業現場のようなところに降りて、いきなり黄色合羽を着せられ、
頭には紙の白い帽子にフードまで、かぶされた。
トンネルを進むと、なんとそこは・・・滝の裏だった!真っ白な水しぶきしか見えない。白い壁。
更に進むと、滝のすぐ横にでた!柵があるものの、目の前に巌が見え、滝が落ちている。
水しぶきで透明感は全くないので、音がなければストップしている白い雲のようである。
「なんかで見たぞ・・・」柵を越えれば滝に触れそうなくらい近い。
「この風景は・・・?」「そうだ!ナイアガラだ!」マリリン・モンロー主役のサスペンス映画。
「あーあ、ここだ。そうや、そうや・・・ナイアガラだもんね・・・」

 マリリン事件現場と黄合羽


カナダ入国
まだアメリカ側にいる私たちは、これからいよいよカナダに入国します。
国境線はナイアガラ川に架かるレインボー橋のほぼ中央にあるのだった。
私たちはその橋の上に引かれた国境の白線をバスで通過し、カナダ側のゲートに向かった。
ゲートは橋のたもとにある。バスはいったん停止し、カナダの係官が乗り込んできた。
腰に銃があった。「(本物ダー)」ちょっとびびりながらパスポートを提示する。
右の人差し指が動くのが合図だ。私たちは座席に座ったまま黙って提示していた。
さっきまでは、見てきた滝の話で盛り上がっていたのに・・・車内はシーンとしてしまった。


ビクトリア公園と大橋巨泉
ビクトリア公園からは高圧電力線がたくさん見えた。カナダ側には発電所があります。
ナイアガラの水圧は373万kwの電力をうみだしてるそうです。
今日は快晴で、過ごしやすく気持ちのいい日になった。巨大花時計がキレイだった。

お買い物は、一等地に店舗を構える、大橋巨泉オーナーのOKマーケット?KOマーケット?に。
繁盛してましたよー。カナダと言えば・・・メイプルシロップ?
あとは・・・斧のおもちゃにタヌキかなんかのしっぽがついてる飾り物(引越しの時失くした)目新しい物がないから
カナダのピンバッジを購入。


スカイロン・タワーで夕食
スカイロンタワーの展望レストランは、ナイアガラの滝が一望できるだけでなく、360度の地平線をみることができる。
ここはレストランが回転しているので(回転レストラン)食事をしながら絶景パノラマを見ることができて、
ナイアガラの滝を見下ろせるのだ。
ゆっくり回転しているレストランなので、全席窓側に面していなければ意味がない。
私も、食事をしながら夕暮れのナイアガラを堪能した。

 後ろの丸いタワーがレストランです


食後、屋上で真っ赤な夕陽を見た。ガイドさんが「カナダの夕陽はきれいですから」と、わざわざ案内してくれたのだ。
言うだけの事はある。本当にきれいだった。
夕陽だけでなくて、空全体も真っ赤で実にきれいだった。
自然の色は例えようもなく、表現が難しい・・・。
燃えるようなオレンジ・・・いや、違う・・・空が火事のように真っ赤・・・。



一日ナイアガラ探検を楽しみ、ニューヨークのホテルに向かう。



1988年ニューヨークにつづく








vol.83