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太極拳in上海(1)

2000年12月4日(月)

必需品
普段の私は8時半頃に起きだし、録りおいたテレビのテープを見ながら朝ごはんを食べる。
ほとんどリアルタイムではテレビを見ない私は、タイマー予約で録っておいて、CMを飛ばしながら
見ているのです。
ゆっくり朝食をとりあえて、仕事を始めるのは10時頃から、というノンベンダラリの生活を送っている。
でも、中国に来た時だけは違う。起床は5時。大抵外は真っ暗である。
観光がある日は集合が8時頃になるから、逆算するとせいぜい7時までが勝負である。
どんなに早く起きても早すぎる事はない。そして不思議に早起きが苦にならない。
喜んで5時に起きます。こんな私を母は「もの好き」と言っています・・・。

最近の私は中国旅行となると何はなくとも‘ジャージのズボン’と‘ズック’を持参。
「このままで観光しちゃおうかなあ・・・」と少しでも荷物を減らそうとして言おうものなら、
「手編みのセーターを着るのは許すから、ジャージだけはやめて!」と母に言われるはめになる。

太極拳を始めてから、中国旅行での買い物も、すっかり‘太極拳’一色になってしまった。
それに何年もジャージとTシャツ以外の服を買っていない気がするんですけど・・・。

師匠との出会い

 ホテル前の大通り。朝6時半頃


さて、外に出てみた。深呼吸・・・う〜ん、いい感じ・・・。
ホテルの玄関から前面道路まで車のロータリーになっていて、中央には噴水がある。
道にでて、公園を探すか・・・と、ふと脇を見るとホテルの庭があるではないか。
よく見えないが、ちょっとした庭園になっているように思える・・・クンクン、匂う・・・匂うぞ・・・。
「誰かいるかな?」と向かってみた。ほんの20歩も歩いたろうか、「おりました!」
この瞬間の達成感はいつもの事ながら、大博打の山勘が当たったような気分である。
例えて言えば‘太極拳してる人’を追い詰めることが出来るように訓練された警察犬のようなものだ。

まずは見学。「わかった!これは楊式だ!」
やはり、いろんな‘套路’を知っているというのは強みである。
教室で‘伝統拳’はまだ習っていないが、私には香港に‘楊式’の師父がいる。
それに、楊式なら‘制定拳88式’とほぼ同じ順番で動ける。
実際はまるで違うのだが、うまく頭を切り替えれば動けないわけではない。
(1997年・1998年香港参照)

先生らしき男性の動きは香港の師父とはまるで違っていた。カッコイイ!
動きはまるで違うが師父と同じように「強さ」を感じた。
「この人は本格的に習った人の動きだ」と思った。(2000年北京参照)
先生らしき男性と並んでもうひとりの男性、その後ろにふたりのおばさまの4人で練習している。
私はすぐさまおばさまの隣りで合流した。

 按に入るところ  単鞭に入るところ


私は自分の動きではなくて、そこの人たちの動きに合わせて動きます。
ですから、‘転身’して私の前に誰もいなくなると動きが分らなくなってしまいます。
そんな時は後ろを振り返りながら、なぞってついていった。実に楽しい・・・
なんて楽しいんでしょ♪
呼吸が合っているせいだろうか動きやすいし、動作もバリエーションが豊富で実に楽しい♪
・・・2段に入って‘転身’して私が先頭になった時、先生らしき男性の声が聞こえた。
ランチュエウェイ・・・ポン、リュイ、ジーー、アン・・・」
「助かります・・・(嬉!)」
これなら後ろを振り返らなくても動作を続けられます。
その後も、先生は最後まで套路名を言い続けてくれました。

動きの特徴は、‘白鶴亮翅’のつくりが、左手で相手を掴んでいるようであるということ。
‘按’の手の分け方が手の平を下に向けて相手を巻き込んでいるようであること。
香港の師父とは逆だ。私は「下には向けないように」とわざわざ注意されたほどだ。
‘単鞭’では2段階で押す。押す時は単鞭に限らず総じて腰を向けてからの2段階だった。
それから・・・‘雲手’では攻撃が入った。
後ろの敵を打って進む、打って進む・・・だったような・・・。
とにかく、全部が違うんですよ!それでいて同じ‘楊式’なのです。
定式の形や動きが違っても見れば分かるものなんです。

 単鞭  リュイ  白鶴亮翅


楽しかった〜♪久しぶりで楽しい太極拳ができました!
「早上好!(ザオシャンハオ、おはようございます)」私は自然と笑顔になってたと思います。
「あなたが先生ですか?」先生は自分では「そうだ」とは言いませんでしたが小さくうなずき、
周りが「そうだ、そうなんだ」と教えてくれた。
強さは謙虚さに繋がる。
いや、謙虚さが強さを生むのか・・・?
先生の第一声は「あなたは太極拳ができるが、どこで勉強したんだ?」だった。
他のメンバーも「そう、そう。あなた上手よ!いつから太極拳してるの?」と聞いてきた。
私は、日本の教室の先生に褒められたこともないし、こういう質問は戸惑ってしまう。
とりあえず「私は日本人です。‘楊式’はまだ勉強してません」と答えた。
「日本での動きと同じか?」とも聞かれたので、「違います」と答えておいた。
その後も「いつまで上海に滞在するのか?」「留学か?旅行か?」など矢継ぎ早に質問され、
「明日しか一緒にできません」と言って最後はガッカリさせてしまった。
「このホテルに泊まっている」と言うと、「じゃ、次に来るときもこのホテルに泊まりなさい」と。
さっき会ったばっかりなのに、もう友達みたいである。これも太極拳のなぜる魅力だ・・・。

おばさまふたりは最後まで習い終えてないらしく、先生に‘足を振り回して叩く’動作を熱心に
聞いていた。
「私はね、70歳なんだけど先生に習い始めて3ヶ月なのよ」と言う。
「3ヶ月ですか・・・(驚!)」凄い!凄すぎません?
70歳にも見えなかったけど、たった3ヶ月で套路をほぼ覚えちゃうなんて。中国のなせる業です。
それと、毎日練習できる強みですね。羨ましい・・・。

先生は見た目60歳くらいのようだ。
「先生のお名前を教えてください」先生は快くサインしてくれた。
「先生の師匠のお名前も教えてください」というと、「師匠は誰とはいえないなあ・・・」と
困った様子で、「ひとりじゃないから」と答え、「みんな死んだよ」と言っただけで、
名前は分からずじまいだった。

私は香港の「師父」、上海の「師匠」と呼び分けて弟子入りを決意した次第であるが、
もう、2年も上海に行っていない。すでに破門になってることだろう・・・。
この日、師匠は勤務があるとのことで、どこからともなく現れた奥さんといっしょに帰って行った。
私も、明日の約束をして部屋に戻った・・・。

母が、太極拳してる人に会えたか?と聞いたので、「すっごい達人と会えた(嬉!)」と伝えたら、
「それはよかった」と喜んでくれた。記憶に残る実にいい朝だった。



太極拳(2)につづく・・・


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vol.17