1998年 香港

第3回 1998年9月26日〜9月30日

目的
1997年12月14日に勝手に弟子入りした師父に会うために、アポイントなしの突撃訪問。



第1日目

PUMA
今回は目的が目的なだけに、初めから運動靴を履いて来ました。
あれこれ悩んでおニューのPUMAをおろしました。ショッキングイエローに白の紐。
眩しいくらいにピカピカです。
この鮮やかな黄色が帰りには真っ黒になろうとは想像もしなかった私です・・・。

機内の席は初めての1列目GET!おまけに隣はいないし、窓側だし快適そのもの♪
スチュワーデスのきれいなお姉さんはいつも目の前にいるしで好いことずくめだった。

新香港空港
香港中国返還に伴って空港が移転し新しくなっていた。
新しいチェク・ラプ・コク国際空港は香港市内から車で30分くらい。
以前の空港は街中にあったので、ものの15分程でホテルに到着したものだが・・・。
新空港は海を渡った島に建設された。もちろん陸上移動できるように橋が架けられ、立派な道路も整備された。
この橋の工事には日本の企業があたったそうです。
日本の建設技術は世界屈指なのだ。

空港は新しいし、綺麗だし、広いしでビックリ!
実は私は空港に到着するまで新しい空港とは知らなかったのだ。
タウンテーブルも以前とは比べ物にならないほどレーンがある。12、3はあったと思う。
今までよく旧空港で間に合ってたものだと信じられないほどだ。
それに以前の空港は「個人出口」と「団体出口」が別になっていて、「個人出口」の自動ドアを開けた瞬間、
こちらが「ハッ!」とするほどの勢いで呼び込みの大群が待ち構えていて、
息がとまるほどの別世界に驚いたものでした。もはや、この新空港では見られない光景なのでした。

 いつの間にかこんなに洗練されて、きれいになっちゃってる・・・


出迎えに来た現地ガイドさんは日本人男性だった。猪狩さんといって、福島県出身。
香港に仕事か何かで来て、すっかり香港が気に入り日本の仕事を辞めて香港に移り住んだという。
旅行社に勤務し、現在香港人の奥さんとネコ6匹と暮らしている。
香港は家賃や土地代が世界でも1,2を争うほど高い。
猪狩さんはマンションを購入したそうだが、海が見えるか見えないかで値段に格段の差がつくそうだ。
でもって、彼の部屋からは6センチ海が見える、のだと自慢する彼だった・・・。
顔は噺家の林家こぶ平そっくり。なので、ひそかに‘こぶ平’と心で呼んでいた私です。
こぶ平は話し始めると止まらないし、人の話もきかない。
スタンレー(1997年香港参照)を懐かしく思い出す私でした。
スタンレーのさぶいギャグをもう一度・・・。

ホテル
ひとりで参加したとはいえ今回もツアー旅行である。ツアー旅行は個人旅行よりずっとずっと安い。
一日は観光に参加しなければならない。安い分、現地の旅行社に貢献するため観光と称する
買い物ツアーに強制参加させられる。やむを得ない。
事情を知った上で利用してるわけだから・・・
少しでも長く太極拳を習いたいので、観光時間の一番少ないのツアーを選んで1泊延泊にした。

父はあまりの安さに「ホテルに風呂がないんじゃないか?」と言い出したくらいだ。
「まさかあ!」と言いながらも、「ありうる・・・」と洗脳され始めるから怖い。
母は「国内旅行より安いなんて人買いなんじゃないの?」とまるで国際犯罪を連想させて脅した。
「うそお!」と言いながら私も「ありうる・・・」と思うから怖い。
こうして、私が海外に行くとなると必ず両親の総攻撃を浴びる私なのでした。

父に脅されていたから、どんな所でも驚かない覚悟はできていた。
私がホテル選びで吟味する要件は立地だけである。公園に歩いて行けるかどうか、だけ。
その点は問題なく満たしていたので、もし風呂がなくても問題ではなかった。
ホテルは風呂付の観光客用のホテルだった。
「とにかく眠れればいい」と思っていた私にはもったいないくらいだ。
部屋はシングルだけど広かったし・・・。
部屋にセーフティボックスがなかったのでフロントに両替がてらおりて行った。
フロント脇に小部屋があって、そこがセーフティボックスになっている。初めての体験だ。
「映画にでてくるような貸し金庫みたい」と思った。

フロントで両替をしたら100HKドルごまかされた。
その場で数えることにしている私は「足りないよ」と即座に追加してもらった。
それにしてもおくびれずにシャアシャアとしているところがいかにもなのです。謝ったりもしない。
私は正確にもらえば問題ない人なので事が済みますが、大事になりかねないちょろまかしです。
気をつけましょう。

部屋に戻って、「さあ、明日早いから寝よっかな」と見ると、今度はベッドに時計がついていない。
フロントに電話してモーニングコールを頼む。「Morning call please.Room number 517
tomorrow morning 5:30AM o'clock please.thank you 」
翌日も同じようにモーニングコールを頼んだら、こっちが言う前に向こうから
「Room number 517?」と言われてしまった・・・
そりゃそうだよね、こんな早く起きる観光客はいないっつーの!

明日は師父に会える!私の事覚えてくれてるだろうか・・・?




第2日目

 太極拳in香港(1)(左のアンダーバーをクリックしてご覧ください)
無事会えるだろうか?AM6:30懐かしの公園到着。果たして・・・。


旅は道連れ 
今日はとにかく1日観光である。というよりお買い物させられるんだろうな。
朝7:50ロビー集合。フロントにキーを預けると、航空会社に連絡して欲しいと言われた。
もう集合時間なので、こぶ平にお願いしようとそのまま出かける。

スターフェリー乗り場の近くでバスを降りて、香港島へはフェリーで渡るようだ。
この移動時間を使って航空会社に連絡してもらうことにした。用件は帰りの飛行機の確認だった。
どうやら私だけ個人扱いの契約になっていたようなのだ。
だから、来る時の座席も待遇がよかったのかも・・・?

同じツアー客に男性3人組がいた。
どう見ても個人旅行しそうな3人組なので私は自分と同じ匂いを感じていた。
私と考えがいっしょで、安さにひかれてツアー客になったに違いない。
・・・そういう雰囲気、オーラを発していたかどうかわからないが、
私たちはツアーの中ではっきりいって浮いていた。
バスの座席も自由なので、我々は自然後ろの方に座っていた。
聞くとはなしに彼らの話が聞こえてくる。
「飛行機で酒飲み過ぎて具合悪くなった・・・」と話している。
「(ウワッ!同じだ)」黙っていたけど私もきれいなスチュワーデスさんを目の前にして、
酒が美味しくてつい、飲みすぎた・・・。

話を聞いていると、この3人組みは毎年海外旅行を恒例としていて、やはり3人だけの個人旅行をしていたが、
今年は、みんな旅費節約のために初めてツアーに参加したのだという。
ツアー旅行も体験してみようという‘逆冒険’だったのだ。
恒例の海外旅行で撮った写真を、帰国してからスライドコンテストするのが楽しみなんだと。
といっても写真が職業ではなく、あくまで共通の趣味らしい。
それぞれ別々の仕事を持っているようだ。大学でいっしょかなんかだったのだろうか・・・?
写真が趣味というだけあって3人ともプロ並みのカメラを持っている。
「今年のベストショットは俺がもらう!」と張り切っていた3人であった。
ところで、この3人組、このお買い物ツアーをどう乗り切るつもりだろうか・・・?
ツアー旅行はそう甘くはないんだぞー!!

香港のメイドさんたち
ピークトラムでビクトリアピーク山頂に行って景色を眺め、降りてオープントップバスでベタービルディングへ。

 ピークトラム乗り場へのアプローチ  ピークトラム


今日は日曜日なので香港公園は、というか、どこもかしこも女の人で埋め尽くされている。
「なにかの集会だろうか・・・」と思ってみていたら、みーんなメイドさんたちなのだそうだ。
香港で働くメイドさんの多くはフィリピンからの出稼ぎ労働者である。
週に一度のお休みを同郷の友人と楽しんでいるのだろうか、働き先の状況を教えあっているのだろうか・・・
とにかく外に出て、思い思いの休日を過ごしている。
しかし近年、香港は日本の不景気のあおりを受けて、特に観光収入が減ったことで、
フィリピン人より安い中国人メイドさんを雇う家が増えているという。

 
フィリピーナの休日


ベタービルディング(ホライゾンプラザ)には高級ブランドのアウトレットショップが集まっている。
退屈して外に出たら、さっきのフィリピ−ナメイドさんが吸い込まれてるデパートを発見。
私も吸い込まれてみた。中はフィリピーナでごった返している。押すな押すな状態・・・。
交わされる言語もフィリピン語の渦。洋服やら化粧品やら銀行やら・・・何でもありなのだ。
5階建てのデパートはフィリピーナ御用達のようです。

絹の都
香港が絹織物で有名かどうか私はわからないが、シルク商品専門店に連れて行かれた。
シルクのハンドタオルは某国の王妃も愛用されているという説明に始まり、絹の触り比べをして客を感心させる。
教室にカンヅメにされた私たちは、このように絹についての講義をみっちり受け、
しっかり洗脳されてから店内に案内されることに・・・。
洗脳されない私のようなのは、店内に入ってもマークされることはない。
もう既に教室で、目の輝きをチェックされているのだろう。

こんな私も店内をウロウロしていて絹の靴下を見つけた。父にプレゼントしようと思ったのだ。
柄が何種類かあって、その中でもクリーム色のチェック柄が気に入った。
「この柄がいいんですけど」とお願いすると、店員さんは「サンプルのしかないのです」と答えた。
「カマイマセン。それを包んで下さい」と言うと、「一足しかないからダメです」と言うではないか。
「いいじゃないのー、そんな固いこと言わないで売ってよー」と私。
店員さんは「別の柄にしたら?」と勧めますが、「この、クリーム色のチェック柄がいいんだ!」と私も譲らない。
店員さんは「これはサンプルだし、一足しかないから売れません」と引かない。
「サンプルがなくたって、どうせこれが最後の一足なんだからいいじゃない」
「それでいいから包んでください」と私も引かない・・・。

ところが!である。よくよく聞いてみたら、一足なのだった。つまり片方しかないのだ!
「あらー、ごめんなさい・・・OH!I'm sorry 」一足ってそういうことか・・・それを早く言ってくれよ。
已む無く別の柄にしたのだった。あはは・・・店員さんと爆笑してしまいました。

宝石店  
ところで、例の3人組ですが、想像通りどこへ行っても買い物を全くしません。
このままでは済まされないぞ!と思っていたところへ一人が指輪を買いました。
しかもダイヤ!すごーい!この人は結婚してるらしいのですが、奥さんに指輪をあげてないのだそうです。
でも、3人でダイヤ一個だけだった3人組みは、この日最後の最後でバスのドライバーさんの
アルバイト、香港キーホルダーセットを、こぶ平から強制的に買わされたのでした・・・(笑)
これがツアー旅行の厳しい現実なのだ。

飲茶の昼食 
連れて行かれたレストランの飲茶料理は、どれもこれも美味しくなかった。
食事の不満はなかなか忘れないものである。大好物の‘腸粉’があったのはいいが、これがマズイ。
‘タンガオ’という大根餅を揚げた料理も私の好物のひとつだが、これもマズイ。
かろうじて食べられたのは青菜ぐらいだろうか・・・ひとりブーイングの昼食でした。

長寿園
午後も買い物は続く・・・次は漢方薬店である。
シルク店と同じで、教室に監禁されて講義を受け、洗脳が始まる。
「皆さんの腸の中には・・・これを1年間飲み続けるだけで、一生あなたの腸は安泰です!」
「たったの1年間でよいのです。他の薬は違いますねえ・・・」この講義が30分ほど。
「ふむふむ」と聞いてはいるが、私は食後なだけに眠くなっている。
そもそも興味がないからである、それを飲もうとは私は思わない・・・薬は嫌いなのじゃ!
よほどの事がない限り、医者でもらった薬でさえ省略するような人である。
自分から飲もうなんて考えるはずがない。

しっかし、日本人は本当に薬好きである。親子で参加している家族がいた。
娘2人とお父さん、お母さんの4人である。
娘さんはふたりとも成人をすぎていて、お父さん曰く「家族水入らずの旅行はこれが最後でしょう」と語っていた。
講義を受けながら、このお父さんと私は「薬反対論」で一致していたのですが、
そのお父さんには、娘2人とお母さんが購入した薬の請求書が無言でまわされてきたのでした・・・。
かわいそうによほど大金だったのでしょう、お父さんは黙ってカードでお支払いしたのでした。
とほほ・・・お父さんはつらいよ。そのうえ、薬がどっさり入った袋も持たされていたのでした。

黄大仙
私の楽しみはここぐらいのものです。
お寺好きの私は、ここにだけは何度来ても飽きることがない。
ここのお寺の参道は階段になっています。いままで知らなかったのですが、
写真を撮る時は階段を完全に上りきらないで、一、二段残した下で撮るのがよいといわれました。

 巨大香炉


 熱心に祈る


一番上だと、現在の状況が最高ということにみなされて、これ以上運が上がらないというのです。
最高を極めたら、あとは落ちるだけ。これから余力を残すという‘元担ぎ’の意味があるのでしょう。
ここは、何度来てもその都度、新しい発見があるものですね・・・。
例の3人組みは、といいますと・・・一人が柵越しに‘巨大ネズミ’を発見した、といって
嬉しそうに他の二人に気づかれないよう、ぬけがけしてシャッターを切ってました。

DFS
既にこの旅行記を読まれてる常連の方なら、もう想像はついているかと思いますが・・・
そう、私がDFSにおとなしくしているはずがないことを。
この時間、私は私で買い物を楽しみたいと思います。
今回の脱走計画は1997年に見つけた化粧品の‘超穴場’へ行こうと思います。
香港の化粧品店といえば‘紗紗’が有名ですが、私の‘御用達’は違います!
誰にも教えたくない穴場です。
そのお店は、昨年偶然見つけたところなのですが、もちろん日本のガイドブックには載ってません。
とにかく店員さんは‘まったくヤル気なし!’‘売る気なし!’
いつ行っても客がいない。昨年行った時は閉店時間、間際だった。
これがよくなかったのか5,6人いた店員さんはみんな揃いもそろって帰り支度を始めていました。
そんな所へ私が入って行ったものだから、お姉さん方はみんな露骨に迷惑そうにして・・・。
それがモロわかるのである。欲しい物は決めてあったので、私はすばやく購入して出たのですが。
客のこっちが気を使わねばならないなんて・・・でも私はだからこそ安心して買い物が楽しめる。
だって、お客さんにべったりでマークされていたら、かえって買い物しずらくありませんか?
とまあ、こういう所なので既に‘潰れて’お店がないかもしれません。
「・・・あった!」まだ営業してるなんて奇跡にちかい・・・!
案の定、客は私だけ。店員は退屈そうに5,6人待機状態。
仕事ヤル気まったくなし!相変わらず、変わっていない。
「ほら客よー」てなもん。グズグズしてると何言われるかわかったもんじゃない。
テキパキしないと、ここのお姉さん方は怖いのだ!客の私の方が背筋が伸びて緊張する。
「○○下さい!」無言でカウンターにバンッと出される。
「△△下さい!」「没有!(ない!)
××下さい!」「Only this color!」
迷っていると、容赦ないお姉さんの声が・・・「買うの、買わないの!どっち!」
「ハイッ!ワカリマシタ!買います!」と、あまりの怖さに条件反射で答えてしまう私・・・。
でも、品物はシッカリしているし、なんといっても値段が安い。
どうか次回来る時まで潰れないでいてほしい。

交通事故
DFSへ戻る道すがら交通事故現場に遭遇した。人がバスに轢かれて頭から血を流している。
路上にも血痕が・・・。命に別状はなさそうだが、救急車にタンカで運ばれているところだった。
その人を轢いたバスが、私の旅行社だったのだ。
「あーあ・・・」と思いながら、こぶ平に事故の事を報告したら、彼は既にこのことを知っていて、
「あのドライバーは勤務もマジメで今まで一度も事故を起こしたことなんかなかったのに、気の毒です。
これで1年間は仕事できませんね。」と言っていた。
どうやら私の乗ってるバスではなかったようだが、気の毒に・・・。
香港には生命保険の類はありません。裸一貫が資本なのです。

 それにしても、記者が来てたほどだから大変だ


潮州料理
全ての観光が終わって、夕食。お昼が散々だったので、もうお腹ペコペコ。
夕飯は‘潮州料理’で、私は初めてである。これがものすごく美味しかった!
味付けがさっぱりしていて、口にあった。「潮州料理って美味しいわぁ・・・♪」と大満足の私だった。

さあ、明日から自由だー!!




第3日目

 太極拳in香港(2)(左のアンダーバーをクリックしてご覧ください)
重たい日本土産を手に公園へ向かう。と、予想もしていないことが・・・


向かいのレストラン
既に11:00を過ぎていて、ホテルのBreak fastの時間は終わっていた。
今日は夕飯まで自由なので、まずは腹ごしらえして出かけようと思う。
丁度ホテルの真向かいに大衆食堂があった。「なにか、食べさせてくれー」と駆け込むように入った。
時間的には、もうお昼時で、店内には結構お客さんがいた。メニューを見ると品数がたくさんある。
焦点を餃子に絞った。それでも種類が豊富である。
お腹ペコペコに私は、はっきり言ってなんでもいいので、無難に「蝦水餃子」にした。
ボリューム満点で、香草の香りがした。・・・味はまあまあ。
食べながら、明日師父をここでごちそうしようかなあ・・・
ここなら麺も、お粥も、よりどりみどりだし。

九龍北上
お腹もいっぱいになったし、さあ出かけよう!
めざせ!‘天后廟’と‘裕華本店’!連日、気温は32℃くらいだろうか。
この日も私はもちろんノースリーブ。日陰を歩きます。朝晩も下がらず30℃前後。
私は太陽光線は苦手だが、暑さは苦にならない。どんなに暑くても平気。
サウナは大好きで、温泉の浴室に備え付けてあるサウナには何度でも入ってしまう。
気温30℃ぐらいじゃ暑いと感じない。35℃以上で「あー、暑いかも」
真夏でも冷房要らずですごせる私です。
今日の気温くらいは私にとって余裕のよっちゃんなのだ。

 どんなに暑くてもビジネスマンはスーツにネクタイ


‘天后廟’は海の守護神が奉られている香港でも古い寺院のひとつである。
街の真ん中にあって、見落としそうなくらい小さな寺院である。
前後は公園(これまた小さい)になっていて、近所の人の憩いの場になっている。

ここの神様は女性でとってもチャーミングだった。
痩せ型のいかにも南方の顔立ちでかわいい。観光客はいない。
公園から入っていくとシーンとしていて、シャッターの音がやけに響く。
中は三つの祠に分かれており、占い師も待機している。上品で風格があるネコもいる。
ネコを撮ろうとカメラを向けたら、占いのおじさんに叱られてしまった。
ネコは撮影禁止なの?眠ってるネコを起こさないように、てことだったの?

   チャーミングな海の守り神


 ここは時間が止まっている・・・


広場には木蔭で休む人がたち。なにやら人だかりが・・・将棋だ。メガネ対オデブ。
オデブちゃんが頭をポリポリしているところを見ると、どうやら形勢不利?
みんな真剣に見入ってる。

 なにごと?人だかりが気になる・・・


 指してる人も見学者も真剣そのもの


‘裕華本店’は、中国系デパートで香港市内に3,4箇所ある。
その本店が、Jordan にあるのです。別になにが欲しいという訳ではありませんが、裕華制覇をしようかなぁと。
私のリサーチでは、衣料品はDFS近くがいいし、陶器はTsim sha tsui が充実している。
食料品はJordan がよかった。

今回、私には急に必要になったものがありました。
ついでなので、ここで調達することにしました。それは・・・痒み止めです。
太極拳をしてて、虫に刺されていたのです。昨日の晩なんか足首が痒くて眠れませんでした。
見ると、両足首がグルッと一周、虫刺され! こりゃひどい!
太極拳をしている近くに、池があるので‘シマ蚊’(黒い蚊)にヤラレタのだと思います。
運動してる時は必死なので気がつかなかったのですが、みごとに刺されていたのです。
(針が長いので治るまで一月以上かかった)このような訳で早急に痒み止めが必要です。
地下の食料品売り場に鍵のかかったショーケースがあり、薬品が収められていました。
近くにいたお姉さんに(お店の人かと思ったらお客さんだった)蚊に刺された足を見せたら
「これがいい」と教えてくれました。箱には‘無比膏’と書いてあった。
これって、日本のムヒよね・・・?
12月にはいなかった蚊ですが、夏場香港に行く時、虫除けは必需品。

恒例の HMV 参り
既に‘裕華本店’で古典音楽をGETした私が次に狙うはジャッキーである。(1997年香港参照)
今回は中国語のCDをGETしようとエスカレーターをのぼっていたら、もうジャッキーの歌声が・・・
「ん?もしや、この声はジャッキーじゃないの!?」案の定ジャッキー一色。
壁一面、今週発売された98年版ジャッキーの新譜で覆われてる。
フロア一面ジャッキーのポスター。
「エッ!?中国語の新譜?」もう、迷わず買いでしょ。
店内に流れてる曲もジャッキー、店内に貼られてるポスター、壁一面の新譜・・・もうここはジャッキーパラダイス。
私の再来香港に合わせて発売したといってもいいくらいのタイミングのよさ。

 ジャッキーパラダイス    「不後悔」’98香港


香港で北京ダック
麺打ち職人さんとは3度目の再会となった。(1997年香港参照)

 継続は力也


この日の夕飯は初めから旅行に入っていたものだったが、例の3人組みはエスケープして、
時間に間に合わなかった。どこまで行ったものやら・・・

明日も早い。さあ!無比塗って寝ようっと。




第4日目

 太極拳in香港(3)(左のアンダーバーをクリックしてご覧ください)
習えるのは今日だけ。時間が・・時間が・・時間が・・(焦)


Hung Hom Station

 2階の渡り廊下から駅構内に入る


中国ビサさえあればここから広州までいけるはず・・・
ビサは取ってないので、香港行政区からは出ることはできないが今日はできるだけ遠くまで北上してみようと思う。
今日も32℃くらいありそうだ。香港市内から出るのははじめてです。
九広鉄道(九龍〜広州)で‘沙田’に向かう。

      沙田駅ホーム


‘沙田’には「萬佛寺」がある。また、お寺かよ!とお思いでしょうが、私はお寺が好きなんです。
Hung Hom Station から13分、車窓を楽しむ予定だったのに・・・
見ず知らずのおじさん(ケーシー高峰似)が話しかけてきて、それどころではなかった。
ケーシーはタクシーの運転手で、昼間は非番だが夜ドライバーになるという。
ディスコに行かないか?という。興味ない!行かない!
黙ってたのになんで日本人ってバレたのか悲しくなってしまう。
日本人はこんなことしか言われんのか・・・?

萬佛寺
とにかく、あっというまに着いてしまった。空気がまるで違う、街中とは違って清清しい。
早速お寺に向かう。観光客は誰一人いない。静かだ・・・空気がおいしい。空が青い。
お寺へはエスカレーターかロープウェイで上るようになっていた。
とりあえず、ゆっくりエスカレーターで行くことにした。終点で降りると本堂になっている。

 右の白い壁がエスカレーター


向かって右に西方観世音菩薩、中央に西方接引阿弥陀仏、左が西方大勢至菩薩
これを観ながら思った。「なぜ、西方ばかりなのだろう?」
西方は‘死後の救い主’を意味しているので、ここのお寺には‘この世の救い主’が不在になる。
普通、お寺にはどちらもあるはずなのだが・・・?

そこからまだ上へ階段が続いていた。行ってみると、なんと!お墓ではないか!
お墓のマンションである!膨大な収蔵量である。
「・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・」
私は初めて見る光景に言葉を失った。
まさかお墓とは!なるほど、それで‘西方’しかなかったわけだ・・・
山の上まで、六角堂が立ち並び、中は一面グルリとお墓が収められている。

 分かりずらいでしょうがプレートの一枚一枚がお墓です


お墓参りに来ている人もチラホラみられた。
お参りに来た人は花をストックしている花瓶にいけて、お線香や故人が好きだった果物を供える。
先祖を敬う気持ちに国境はない。いやあ、これじゃ観光客はいないはずだ。
なにも知らないで、見ず知らずの人たちのお墓を見ることになってしまった私って・・・。

萬佛寺のカメ  
「(なんでこんなところに来てしまったのやら)」と考えながら降りて、休憩しようと腰掛けた
目の前にたまたま池があった。そこにカメ、カメ。ものすごくたくさんの亀・・・うようよ。
九龍公園にはこんなにいなかったので「時期はずれ」なのかと思ったが、そうじゃなかった。
いるところにはいるのだ!折り重なるようにして大きいのから、小さいのから・・・

‘沙田’巨大ショッピングセンター 
せっかく来たんだから、駅に隣接しているショッピングセンターを覗いてみることにした。
人の流れに乗って入っていったら、どこにでもある駅の巨大総合ショッピングセンターである。
吹き抜けの中央ホールではステージが組まれ、華やかにファッションショーをしていた。
そのすぐ脇では今年の卒業者対象の就職相談会をしている、といった具合だ。
本屋に寄ったら、CDも置いてあって昨日買ったジャッキーの新譜が30香港ドルも安く売られていた!
どういうこっちゃ!郊外は物価も安いみたいだ。

喉が渇いたので、お茶しようと茶店に入った。
きのう師父がご馳走してくれたレモンティーが美味しかったので、飲んでみた。
ウマイッ!香港来たらレモンティー!これで決まりやね!
師父が教えてくれたように、ギュッ、ギュッ、とレモンを下に押し込んで・・・っと。
ウマイッ!なんか、ほのかに甘いのですよ。おいしい!
これがレモン本来の甘味なのかなあ・・・?
考えてみれば紅茶って‘水’ではいれられないもんね、あたしってバカねえ。(太極拳in香港(2)参照)

帰り駅の切符の自販機に7香港ドルとられた。
後ろに並んでた女に人が思いっきり返却ボタン押して、バンバン叩いてくれたけど戻らなかった。
切符を上手に買うコツがあるみたいだ・・・前に並んでたお兄さんも、お札が使えなくて困ってたっけ。

日本人いない‘沙田’楽しかった。次回はもっと遠くへ、中国ビザ取って広州まで行ってみたい。

妖しい公園
まだ昼の2時で陽も高い。昔の香港灯台を見に行こうと思う。
Hung Hom Station からMody Rd.に出てChatham Rd.からSouth Signal Hill Gardenへ。
ここの丘の上に灯台があるのです。遠回りしてしまったようだが公園の入り口にたどり着いた。
れっきとした香港行政区の公認公園の看板もある。

 瓦礫の奥に見える屋根付看板はれっきとした香港公認です


だけど、人工の山(丘)らしきこの公園は、入り口からして危険な匂いがプンプンしていた。
とにかく人がいない、静まりかえっている。もちろん観光客などいるはずもなく、
ここはMody Rd.を拠点としている中近東の人たちの憩いの場と化しているようだ。
「怖いよー、来るんじゃなかった・・・でも、灯台は見たいよー」と、ビクビクもんで登りはじめた。
らせん状に道が上り坂になっているので、いつ人が現れるかわからない。
まわりは、うっそうとした木々に囲まれ、暗い。逃げ場はない。
途中で、何するとはなしにただベンチに腰掛けてる黒人の人や、中近東の人とすれちがった。
「(怖いよー、話しかけられたら完全にアウトだ・・・)」と思った。
こんな所に来る方がどうかしているんだ。刺されてもおかしくない状況だった。
それでも、戻るのも悔しいので我慢して上り続けた。
黒人の人がベンチから立って後をついて来た・・・
「(ヤバくね?)」ここで、私が戻ったり、走ったりしたらもっとヤバクなるだろうと思ったので
「(なんでもないよー)」を装って歩き続けた。本当は泣きそうだった。

頂上はせまーい公園になっていた。確かに茶色のレンガ造りの灯台があった。
ビクトリア湾が見下ろせる。景色はバッチリである。穴場中の穴場である!

 景色はバッチリ!  香港初代灯台


昔の灯台がここにあるということは、ここから海までは後に埋め立てられたか、灯台を移転したかなのだろう・・・
どんなに景色がよかろうとも、たとえ昼間であっても、ここには近寄らない方が無難です。
ガイドブックに載っていようとも、この公園は危険度98%。命の保障はできかねます。

Nathan Rd.までのMody Rd.はイスラム系ヒンズー系アラブ系の人たちの商店が立ち並んでいます。
主に、紳士衣料と電子機器が多い。
ここでオーダーメイドしたスーツは仕立てがよいだろう。香港の横顔を見た思いがした。

竹園海鮮飯店
Nathan Rd.に出て安心したのか、急にお腹がすいてきた。
遅めの飲茶でもしようとぷらぷらしてたら‘北京道’から‘漢口道’に入ったところに、
何やらヤケに安い看板を見つけた。‘うどん3HK$’‘スープ5HK$’「(本当に?)」
フラフラと店に入ろうとすると、トランシーバーを持ったお姉ちゃんが「ひとり行ったぞ」と連絡しているではないか。
もう戻れない。いけすがずらーっと並んでる。高級魚が海老が蟹が・・・
「(店まちがったかな?)」突き当りを曲がったら、いきなり下りエスカレーター。
完全に戻れない・・・。
これが、長いエスカレーターで下が見えない。
降りた所の店構えを見て「(場違いだったかしら)」と思ったが既に遅い。
トランシーバーで連絡を受けていたお出迎えのボーイさんが「おひとりですね」と待ち構えていた。

メニューを見ると‘フカヒレ専門店’らしい。店内は高級感漂い、冷房がガンガン効いていた。
昼時を過ぎていたにもかかわらずまだ、飲茶タイムに間に合ったらしい。
私の大好物‘腸粉’もあったし、‘マンゴープリン’もあった。
お客も少ないのですぐ出てくるかと思いきや、いつまでたってもこない。
隣のテーブルの人も苛立っていた。サービスが良いんだか悪いんだかわからない・・・
「(待たせすぎじゃ!)」と思い、「頼んだのまだ来てません」とお姉さんに訴えると、
ボーイさんがすっ飛んできて「なに頼んだの?」だって・・・
もう!言わなかったら延々またされてたのかよ!(怒)

でも、待った甲斐があった・・・
味道好!!味は申し分なし!!
98点!!
減点の2点は待たせすぎと、冷房効きすぎ!
‘腸粉’の美味しいこと!たれハオ!具ハオ!皮ハオ!いくらでも食べられる。
そして、私が感激したのは‘マンゴープリン’シロップが別にくる本格派!これが美味しいの!
未だに、ここを超える‘腸粉’と‘マンゴープリン’にはお目にかかってません。大満足です!!

夕飯  
中途半端な時間にお昼をとったので、夕飯はTake out でツナパンとレモンティーで済ませることに。
とにかく香港ではどこのレモンティーでも美味しい。
「Take out OK?」と聞いたら「No problem 」と言ってそのままよこされた。
ほんとは袋が欲しかったんですけど・・・

香港は食べるのに事欠かないし、ハズレも少ない。量も多いし、言うことない。
毎日30℃を越す暖かさで私にとってこんなに嬉しいことはない。

明日は日本に帰らねばならない。日本はすっかりになっていることだろう・・・




第5日目

 太極拳in香港(4)(左のアンダーバーをクリックしてご覧ください)
師父との別れ。



1998年香港完


目次





vol.5